ほうれい線や口角、ゴルゴ線のしわをヒアルロン酸で改善・治す方法
作成日:2015.7.1 更新日:2024.1.5
ほうれい線やゴルゴ線、目の下や口角のしわ、気になりませんか?
残念ながらしわはどんどん深くなって、もっと気になっていきます。
しわがあると見た目の年齢もグッと老けてしまいます。
昔から「シワは女の勲章」などと言い、表情豊かに過ごしてきた証だと肯定されても、やっぱりないに越したことはありませんよね?
深いシワは高級な化粧品でも、お顔の体操でもなかなか消えてくれません。
ほうれい線などの大ジワと呼ばれるシワは、プチ整形と呼ばれるヒアルロン酸などのフィラー注射(溝を埋める注射)で簡単に解消することができるんです。
今回はヒアルロン酸注射についてご説明します。
目次
ヒアルロン酸とは
ヒアルロン酸という言葉は誰でも一度は聞いたことがありますよね?
もともと人の体内に存在する成分で保水力(水分を保つ力)がとても高く、人間の目や肌で潤いを保ち、関節では潤滑油のような役割を担います。
体の成分なので安心ですし、もし注入して気に入らなければ溶かすことも出来ます。
ヒアルロン酸の働き
保持することができるといわれています。
このヒアルロン酸が真皮層のコラーゲン組織を保つ働きや水分をしっかりキープしてくれることで、 ハリのある肌を保つことができるのです。
赤ちゃんの肌がみずみずしく張りがあるのは、ヒアルロン酸を多く含んでいるからですが、からだの中のヒアルロン酸濃度は、成長とともに減少していきます。
30代で急に減り始め、40代では赤ちゃんの頃の約半分まで減ってしまいます。
シワを消すヒアルロン酸注射は、このように水分をしっかりキープしてボリュームを保つ作用がありますので、 溝を埋めて弾力や張りを復活させることで、よりシワを目立ちにくくさせる効果があります。
(ヒアルロン酸注入が適した部位)
ヒアルロン酸の種類
ヒアルロン酸と一口に言っても、粒子の大きさ、濃度、凝集性、弾性など様々で、それらによってヒアルロン酸の硬さや持続期間が違ってきます。
そして注射はしわの部位や状態などによって、硬さ、なじみやすさがちょうど良いヒアルロン酸が使われます。
皮膚の薄い繊細な部位(例えば目の周り)は柔らかくなじみやすいヒアルロン酸を、
深いシワの目立つ法令線やゴルゴ線には少し硬いヒアルロン酸を使ったりします。
より高度な使用法はそれらのヒアルロン酸を組み合わせて使用します。
土台に長持ちしやすい硬いヒアルロン酸を入れ、浅くなるにつれて柔らかい粒子の小さなヒアルロン酸を重ねていきます。
そうるすことで、よりしっかりときれいにしわを改善させて、かつ長持ちさせることが可能になります。
ヒアルロン酸製剤はさまざまな国で作られ種類もたくさんありますが、安さだけで選ばず、安全性が高く長持ちしやすいものを選ぶと良いでしょう。
<代表的なヒアルロン酸の種類>
ジュビダームビスタ(Juvederm VISTA)
BOTOX(ボトックス)でも有名なアラガン社の製品で、アメリカ製でFDAの認可済です。
厚生省でも認可が下りている安心のヒアルロン酸です。
ヒアルロン酸濃度が高く、非動物性由来のヒアルロン酸でレスチレンよりもアレルギー性が少ないと言われています。
粘性・弾性に優れています。
硬さもあって、2年長持ちするボリューマも人気です。
スタイレージ
フランスのvivacy社のヒアルロン酸です。
独自の架橋構造により柔らかく柔軟性があり、なめらかな仕上がりになりやすいです。
また、長持ちもしやすいヒアルロン酸です。
レスチレイン(Restylane)
スウェーデンのQ-MED社の製品です。
Q-MEDのヒアルロン酸は、純度・安全性・信頼性の高さで世界的に高く評価されています。
アメリカFDAの認可を取得しています。
また、アレルギー・異物反応の発現率が「0.002%」と高い安全性と適応性を誇ります。
粒子の大きさによって6種類あります。
エセリス(Esthelis)
スイスのAnteis社の製品でヨーロッパのCEマークを取得しています。
単一形状のヒアルロン酸なので粒子の存在がなく、均等で滑らか、凹凸のない仕上がりが期待でき、 皮膚の薄い部分浅い層にも注入しやすくなじみやすいと言われています。
クレヴィエル(高濃度ヒアルロン酸)
アジアを代表する医薬品・化粧品メーカーであるアモーレパシフィック社の皮膚科部門AESTURA社で作られています。
アジア人のニーズに合わせて開発され誕生したヒアルロン酸です。
ヒアルロン酸密度は他のヒアルロン酸の倍以上で、素晴らしい粘性と弾性で、鼻やアゴをプロテーゼのようにきれいに持ち上げることが可能です。
そのポテンシャルは多くの美容外科医に衝撃を与えました。
高濃度ですので、持続期間も12~15ヶ月と群を抜いています。
添加物が少なく安心です。
硬さの最も硬いコントアと、ある程度硬くなじみやすいプライムがあります。
テオシアル(Teosyal)
Teoxaneの製品はスイス製でヨーロッパのCEマークを取得しています。
粒子が滑らかで均一なジェルであり、ヒアルロン酸濃度も、クレヴィエルを除いたヒアルロン酸の中で最高レベルです。
以上に挙げたような代表的なヒアルロン酸であれば、まずは安心して施術されて大丈夫です。
持続期間
ヒアルロン酸は代謝によって体内に吸収されていきます。
その期間はヒアルロン酸の種類や粒子の大きさ、個人差もありますが一般的には3ヶ月~6か月くらい、 高濃度ヒアルロン酸(クレヴィエル)では12~15か月、一番長持ちするジュビダームボリューマは2年くらいと言われています。
注入後、むくみがとれて若干減ったころに微調整注入や追加注入を行うと、さらに効果を高く保つことが可能です。(タッチアップ)
定期的なメンテナンスによって持続期間を長く、形をきれいに保つことも可能ですよ。
ただ、しわが改善すると目が慣れてしまって、ちょっとん減っただけでかなり減ったように感じてしまい、どんどんヒアルロン酸を足して不自然になってしまう方がいらっしゃいますのでご注意ください。
ご自身でわからなければドクターと相談するなどして、あまり欲張らずに自然な感じで保つようにするのが良いでしょう。
ヒアルロン酸のリスク(副作用)
注射1本の手軽な治療で手術に比べると安全な印象のあるヒアルロン酸ですが、リスクが全くないわけではありません。
リスクとしては
・痛み
・内出血
・炎症
・血流障害
・しこり
などがあります。
ただしこれらは注入方法の工夫で回避することが可能です。
下記に詳しく説明していきますね。
痛み
針を刺すわけですから全くの無痛というわけにはいきません。
痛みには、針を刺すときのちくっとする痛みと、ヒアルロン酸が入るときの圧力で感じる痛みの2つがあります。
痛みはヒアルロン酸が入るときの痛みがメインです。
それぞれの痛みを軽減させるにはいくつか方法があります。
ヒアルロン酸が入るときの圧力で感じる痛み
(軽減させる方法)
①笑気ガスを吸いながら注射する。
②神経ブロック麻酔をしてから注射する。
③麻酔入りのヒアルロン酸を使用する
④なるべくそーっと注入する。
ちくっとする皮膚の表面の痛み
(軽減させる方法)
①注射を可能な限り細くする。
②冷却する
③施術の前に麻酔クリームや麻酔テープを注射する部位につけて30分から40分ほど置いてから注射する。
などで軽減することが可能です。
部位によっては痛みが出やすい部位がありますし、痛みに弱い方は、 笑気ガス麻酔や神経ブロック麻酔などを併用すると、より楽に施術を受けることができるでしょう。
痛みの恐怖で顔に力が入ってしまうと逆に痛みや内出血が強くでる可能性が出てきます。
うまく麻酔などを使うことをおすすめします。
内出血
プチ整形して内出血してしまい紫色の肌を隠すのが大変だったなんて聞いたことありませんか?
針を刺しますから残念ながら内出血をゼロにすることはできませんが、 なるべく細い針を使い、更に何回も無駄に刺さないことで内出血のリスクを軽減出来ます。
内出血しやすい部位がありまして、たとえばいくつか挙げると、
・皮膚が薄い目のまわり
・法令線の口角に近い部分
・鼻根の鼻骨の部分
など、皮膚のが薄かったり、血管の走行などによって内出血しやすくなります。
それらには充分気を付けて注入をおこないますが、針を刺す以上リスクをゼロにすることはできません。
そこで、「極細の針」を使ったり、「鈍針」といって針先が丸くなっている針を注射の際に使うと血管を傷つける可能性がかなり減り内出血が抑えられます。
ただ、鈍針の場合、一定の層にしか注入できないため、多層に注入したい部位では使用できず、部位が限られます。
使用できるかどうかはドクターとご相談ください。
炎症
ヒアルロン酸注入でおこる炎症には
①ヒアルロン酸の架橋剤などのアレルギー反応
②感染による炎症
③血流障害による炎症
などがあげられます。
炎症が起こった場合は迅速に対処する必要があります。
注入部位周辺の色調が変だったり(赤かったり、逆に白かったり)、痛みや腫れが強い場合はすぐにクリニックで診察してもらってください。
特に、血流障害の場合は早期に治療しないと、皮膚が壊死してしまうリスクがあります。
血流障害
【血流障害のリスクが高い部分】
・ほうれい線(鼻の付け根部分)
・鼻根、鼻先
・眉間
他にリスクのある部分はありますが、上記は報告されている血流障害で多い部位です。
非常にまれですが、血流障害は最も注意しなければいけないリスクです。
当院では血流障害のリスクを減らすような注入方法で慎重に注入を行っています。
(血流障害)
血管内にヒアルロン酸が注入される、あるいは多量の注入によって血管が圧迫され、皮膚などの組織の血流が悪くなります。
処置の後から、
周囲の皮膚の色が変だったりした場合(青っぽいとか赤紫っぽいとか)や、
異常な痛みや腫れ、見えにくいなどの症状がある場合は、
すぐにクリニックに連絡して診察してもらってください。
しばらく様子をみたりしないでください!
しこり
ヒアルロン酸を一カ所にたくさん入れたり、入れ方にムラがあると部分的に吸収されず、しこりとして残ってしまうことがあります。
また注入したヒアルロン酸が線維化したり肉芽ができたりしてしこりになることもまれにあります。
もともとそこにないヒアルロン酸の小さな塊を注射するのですから、触ってある程度触れてしまうのはしょうがないことです。
見た目が問題ないなら特に処置の必要はありません。
ただ、見た目がしこりのように膨らんでしまっている場合は、ヒアルロン酸を溶かす注射を注入して、しこりを減らすことをおすすめします。
ヒアルロン酸の注入方法
ヒアルロン酸の注入方法は簡単に見えて奥が深いです。
しわの性質も靭帯のようになっていて深く硬いものから、浅くて柔らかいものまで様々です。
注入の仕方にも垂直に注入する、水平に注入する、水平に針を刺入した後、上方や下方に注入する方法など多数あります。
しわの性質に合わせてこれらの注入方法を組み合わせて注入をおこないます。
どの部位のしわがどのような注入をおこなうときれいに上がりやすいかきちんと見極めて注入する技術が重要になってきます。
また、しわの性質に応じて適切な硬さのヒアルロン酸を使い分けるのは当然ですが、
土台や骨格、仕上げなど、ヒアルロン酸を多層にイメージして使用すると、合理的にきれいに仕上げることができ、長持ちもしやすくなります。
家を建てるのにいきなり壁を作ることはありませんよね。
ヒアルロン酸の場合もしっかりきれい仕上げるためには、まずは、土台つくりをおこなって骨組みを作ってから仕上げをおこなうのが理想です。
このように、ヒアルロン酸の注入方法も奥が深く、当院では注入方法にこだわって丁寧に注入しています。
また、安全に注入するために、リスク部位では血管がない骨膜上などに注入したり、逆血を確認する、引きながら少量の注入にするなど注意しながら注入をおこなっております。
まとめ
ヒアルロン酸は自分の体の成分で安心ですし、簡単に出来て、しかも即効性のある非常に良い治療法です。
ただ、前述のとおり効果的でリスクの少ない注入をするためには様々な工夫が必要になってきます。
簡単に出来るプチ整形ではありますが、少しでも失敗のリスクを避けて、満足度を上げたいですよね。
このサイトを少しでも参考にしていただき、満足できる若返り治療をしていただければと願っています。