切る小鼻縮小術のリスク・失敗について
作成日:2024.6.11
目次
切る小鼻縮小とは
切る小鼻縮小は小鼻の根っこのラインに沿って切開し、組織を切除して小鼻を小さくする手術です。鼻翼縮小とも呼ばれています。
切る小鼻縮小には内側法と外側法があります。
内側法は鼻の穴の横幅を切ることで小鼻の幅を狭くする手術で、あと戻りが少ない効果的な方法です。鼻の穴の中の切開ですので、傷は外に出ず目立ちません。
小鼻縮小の施術では、切除して縫うだけですとほとんど戻ってしまいます。
ですが、フラップ法ではフラップをトンネルに通して橋渡しし、しっかり固定することで、あと戻りしにくく効果を長く保つことが可能です。
外側法は小鼻の外側の基部を切って縦幅を狭くすることで小鼻の張り出しや丸みを減らし、すっきりした形の小鼻にすることができます。
小鼻縮小は基本的に内側法と外側法を組み合わせて行うことが多いです。
内側法と外側法を組み合わせると小鼻を土台から動かせるので小鼻の幅をしっかり減らしつつ、張り出しや丸みも取ることが出来るため効果が出やすく、後戻りのリスクも少なくなります。
詳しくは以下のページをご参考下さい。
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切る小鼻縮小のリスク
それでは切る小鼻縮小のリスクについて詳しく解説していきたいと思います。
①傷が目立つリスク
切る小鼻縮小は、小鼻をメスで切開しますので傷が皮膚側に出ます。
内側法であっても一部ですが外側に傷が出ます。
傷が外に出るということは、当然傷が目立つリスクがあります。
特に皮脂腺が発達している方では、通常より傷の凸凹して目立ちやすくなることがあります。
ただ、小鼻縮小の傷は小鼻の基部の溝(鼻翼顔面溝)に沿った部分にできますので意外に目立ちにくく、言われてよく見ないとわからないくらい目立ちにくくなることが多いです。
小鼻はわりともろい組織ですし、傷がきれいに治るように、適切にデザインし、切開や縫合を丁寧におこなうことで、傷を目立ちにくくしています。
②後戻りのリスク
切る手術と言えど、小鼻は硬い組織ですので、後戻りするリスクがあります。 特に内側法で単純に組織だけ切除した場合は、ほとんど戻ってしまいます。
そのため、内側法の場合、減張縫合と言って糸で左右の小鼻を寄せたり、切開した組織を切除せず皮弁にしてトンネルを通して左右寄せることで後戻りしにくくしています。
皮弁で戻りにくくする方法は当院ではフラップ法と呼んでいます。 フラップ法といえど、半分くらい後戻りすると言われています。
ただ、内側法と外側法を同時に行う場合は、しっかり小鼻を土台から動かして狭く固定できるので後戻りのリスクをぐっと減らすことができます。
内側法と外側法を同時におこなう場合も、後戻りのリスクを減らすために減張縫合もおこなっています。傷が離れようとする力を減らすことで傷をきれいに治りやすくもしています。
③不自然な形になるリスク
不適切なデザインや、切除量を多くしてしまうと不自然な形になってしまうリスクがあります。
例えば、鼻の穴の底部の外側の丸みを温存せずに切開すると、鼻の穴の底の外側の丸みがなくなって不自然になったり、ノッチと呼ばれる食い込みができてしまったりします。
また、小鼻の切開する位置を誤ったり、切除量を多くしてしまうと、丸みのない不自然な小鼻になってしまいます。
組織を切除してしまうと戻すのはかなり難しくなってしまうので十分な注意が必要です。
当院では、丁寧にデザインを行い内側にノッチができないよう丸みを残したり、外側のデザインの際は小鼻を引っ張ったり戻したりして適切な切除量を決めるようにしています。
④戻せない
上記でも挙げましたが、小鼻縮小は組織を切除してしまうので戻したくても戻せません。
切除が足りないなと思った時はあとで追加切除することはできますので、 組織を切除しすぎないように充分注意する必要があります。
⑤団子鼻が目立つリスク
小鼻縮小で小鼻の幅が狭くなると、相対的に鼻先が目立って見えてしまいます。
団子鼻の方では団子鼻が強調されてしまう可能性がありますので、小鼻縮小と同時に鼻尖縮小をおこなう必要があります。
同時に行うことで小鼻も鼻先も目立ちにくくなれば鼻全体がすっきりとして整ってみえるようになります。
⑥小鼻が下がってしまうリスク
小鼻の下方の組織を切除しすぎると小鼻が少し下がってしまうことがあります。小鼻が下がって小鼻が鼻柱の位置より低くなるほど不格好に見えてしまいます。
小鼻縮小では、下方の組織の切除は控えめにするように心がけています。
⑦人中が盛り上がるリスク
小鼻を寄せることで人中の組織が寄って盛り上がることがあります。特にフラップ法や減張縫合で左右の小鼻をしっかり寄せるとなることがあります。
ただ、一時的なものなので、腫れが引いて、組織がなじんで後戻りするとともに人中の盛り上がりは落ち着いてきます。
⑧唇が上がりにくくなるリスク
フラップを固定するために小鼻の外側を操作したり、小鼻外側を剥離するような操作を加えた場合、上唇鼻翼挙筋がダメージを受けて、上唇が上がりにくくなる可能性があります。
ですが、こちらも時間と共に徐々に回復していきます。
切る小鼻縮小の失敗
次は切る小鼻縮小の失敗について話したいと思います。
リスクと重複する部分がありますが、いわゆる小鼻縮小を失敗した状態について挙げていこうと思います。
①不自然な鼻の形
リスクで紹介しましたが、必要以上の切除をおこなってしまうと小鼻の丸みがなくなって、顔から突然立ち上がった不自然な形の小鼻になってしまいます。
組織を切除してしまうと戻すことは基本的にできないので避けなければいけない失敗です。
②傷や段差が目立つ
適切にトリミングしたり、丁寧に傷を縫い合わせないと段差ができてしまいます。
また、小鼻は硬くてもろい組織なので、操作が雑だと傷が挫滅したりして汚くなってしまいます。
傷に負担をかけずに、ぴたりと縫い合わせる技術と丁寧さが必要になります。
③鼻の穴が不自然
鼻の穴の底部の外側の丸みを温存せずに切開すると、ノッチと呼ばれる食い込みができてしまいます。
また、もともと鼻の穴の幅が狭い方が小鼻縮小をおこなったり、幅がある程度ある方でも内側の切除を広く取りすぎてしまうとコンセントのような鼻の穴になってしまうリスクもあります。
さらに小鼻を切りすぎると鼻の穴全体が小さくなりすぎてしまう可能性があり、不自然で不格好になるだけでなく、呼吸機能に影響が出る可能性もあります。
小鼻は小さくすることは容易でも、大きくすることは非常に難しく、基本的に戻せないので注意が必要です。
④壊死するリスク
鼻は血流が良い部分ですので、初回の手術などではまず心配する必要はありません。
ただし、鼻先を含めて何度も手術をおこなっている方の場合、鼻の血流が低下していることがあり、小鼻縮小術を行うことでさらに血流が悪くなって鼻の一部が壊死してしまう可能性はゼロではありません。
小鼻の場合、小鼻の頭側(上部)に切り込みすぎると眼角動脈からの動脈の枝、外側鼻動脈を切って血流が悪くなってしまうリスクがあります。
基本的には小鼻は一度くらいなら再手術をおこなうことはあるかもしれませんが、何度も手術をする部位ではありませんので、注意すれば壊死のリスクはそれほど高いものではありません。
まとめ
以上が小鼻縮小のリスク・失敗についてでした。 何度もお話ししたように小鼻縮小は失敗して不自然になってしまうと治すのが非常に難しくなってしまう可能性があります。
ただし、適切にデザインして手術をおこなえば仕上がりは自然で不自然になることはありません。
小鼻の外の傷は目立つのではないかと思われている方は多いですが、適切にデザインして愛護的に組織を操作し、丁寧にトリミングや縫合をおこなえば、傷はかなり目立ちにくくなります。
小鼻を少し目立ちにくくするだけで小鼻の印象が薄れてお顔がかなりすっきりする方は多いです。
小鼻縮小は大変効果的な施術ですし、リスクや失敗は抑えることができますのであまり怖がられずにお考えいただいて良いかと思います。