耳介軟骨移植は単独で行えるの?行えないの?リスクは?そのリスクを少なくする方法はあるの?
作成日:2024.6.13 更新日:2024.6.14
目次
耳介軟骨移植とは?
耳介軟骨移植は、耳から採取した耳介軟骨を通常2~3枚重ねて、鼻先にある鼻翼軟骨の上に耳介軟骨を加工して移植する手術です。
図のように鼻先に高さを出すことができます。
載せる位置により下方向にすると鼻先を伸ばすことができ、上方向(正面方向)に載せると鼻先を高くすることができます。
耳介軟骨移植は単独でできるのか?
耳介軟骨移植だけの手術はできるの?
結論から言いますと、できます。
しかし、耳介軟骨移植単独だといくつかリスクがあるので、通常、単独ではあまり行うことはありません。リスクについては後ほどご説明します。
耳介軟骨移植だけをおこなう場合は、どういう風に手術をおこなうかというと。
まず、鼻先の皮下の層を剥離して移植軟骨を入れるポケットを作ります。そしてそこに移植軟骨を挿入して終了です。
鼻尖縮小と耳介軟骨移植を行うことによる効果
耳介軟骨単独で行うことによるリスクが高いため、通常は、鼻尖縮小と軟骨移植を同時に行うことが多いです。
鼻先が細くてかつ鼻先が高いことではじめて鼻先がシュッとしてすっきり見えるようになります。
また、しっかり鼻翼軟骨を露出させて移植軟骨を固定することができるので、左右差やずれのリスクを抑えることができます。
耳介軟骨移植を単独で行うときのリスク
耳介軟骨移植を単独でおこなった場合、起こりうるリスクは主なもので2つあります。
①耳介軟骨移植時のリスク「左右差、形のずれ」
耳介軟骨移植のみの場合、先ほどお話ししたように鼻先に空間を作って移植軟骨をポイっと入れるだけなので当然軟骨が固定されておらず想定の位置よりずれるリスクがあります。
見た感じ左右差がでたり形がゆがんだりする可能性があります。
当院では軟骨移植単独の場合は少ないですが、最低プルアウト固定と言って軟骨に糸を通して皮膚側に出し、ずれないようにしています。
②耳介軟骨移植時のリスク「団子鼻が悪化」
鼻先に軟骨を入れると移植した軟骨の分だけ鼻先にさらボリュームが出てしまいます。
また、移植軟骨で土台の鼻翼軟骨が押しこまれて広がってしまいます。
なので、鼻先のボリュームは増すことになり、もともと団子鼻気味の方では団子鼻が強調されてしまいます。もともと鼻先が細い方でも鼻先がかえって太く見えて嫌がられる方も多いです。
耳介軟骨移植だけでの手術についてまとめ
以上のように耳介軟骨移植の単独の手術はリスクがあり特殊な場合を除いてはあまりおすすめではありません。
実際、他院で耳介軟骨移植単独でおこなって、左右差や団子鼻になって気になると修正希望される方は結構いらっしゃって修正することもしばしばあります。
もちろんリスクをご理解の上で、もともと鼻先が細い方などでは耳介軟骨移植単独でおこなうことも可能です。
その場合はプルアウト固定などをおおこなって少しでもずれるリスクを抑えるようにします。