【鼻整形】軟骨移植しても吸収されるのか
作成日:2024.6.18
移植した軟骨は吸収されるのか?
軟骨移植とは
美容整形では、鼻を高くしたり伸ばす場合、主に軟骨を移植しておこないます。
軟骨を使ってこの図のように鼻先の軟骨の上に載せたり、
また、鼻中隔に固定して鼻中隔を延長することで鼻先を高くしたり伸ばしたりします。
軟骨は耳の耳介軟骨を使ったり、鼻中隔軟骨をくりぬいて使ったり、肋軟骨を採取して使ったりします。
耳介軟骨移植は、単に鼻先を高くしたりするためだけでなく、いろいろな移植の仕方があります。
鼻孔縁を伸ばしたり、鼻柱基部を引き出したり、鼻翼軟骨を補強したり、他にもいろいろな形で用いられます。
基本的にアップノーズを改善したい方では下方向に軟骨を移植し、鼻先の正面方向に高さを出したい方は鼻翼軟骨の上(正面)に軟骨を載せて固定します。
正面方向にだけ高くなるとアップノーズになり、下方向にだけ伸ばすとたれ鼻になったりするので、基本的に下方向と正面方向に同時に軟骨を載せて、斜め下に高さを出すことが多いです。
耳介軟骨は、耳の裏などを切開して耳のフレームを残してパラボラの凹みの部分(図の黒い斜線の部分)を採取します。
軟骨を取った後の耳は、残ったフレームががきちんと支えてくれるので、耳の形は変わりません。
耳介軟骨は耳の裏側を切開して採取するので、傷が目立ったりすることはありません。
ちなみに採取した軟骨はこのような感じです。
軟骨移植については過去のコラムでも解説しています。
是非以下のコラムも参考にして下さい。
何故鼻先に軟骨を移植するのか
軟骨はしっかりしていますが、柔軟性があり、かつ吸収されにくいので鼻先を高くするのによく使われます。
例えば皮下組織などの場合は、吸収されてしまいますし、皮下組織自体が柔らかいので単独で高さを維持するのは難しいです。
筋膜などの組織は吸収されにくいですが、こちらも柔らかいのでそれ単独では高さを出すには使われません。
へこみを埋めたりするカバーするときに使うことはあります。
あとは、骨の場合は、硬いですが、硬すぎて違和感が出たり、形が浮きやすくなってしまいます。
また、吸収のリスクもあるのであまり使われません。
鼻先は軟骨でできていますので、やはり同じ軟骨の素材を使ったほうが加工も調整もしやすく、硬さも自然になります。
こういう理由で鼻先の形成には軟骨が主に使われています。
吸収されるのか
さて、本題の移植した軟骨は吸収されるのかということについてですが、軟骨は吸収されにくい素材です。
そのため、移植した軟骨は吸収されるかという質問に対しては、基本的に吸収されないと思っていただいても良いかと思います。
ただ、多かれ少なかれ炎症を起こしますため、多少は吸収されますが、多くの部分は吸収されずに残ることが多いです。
吸収されないなら後戻りしないのか
心配される後戻りについて説明します。
軟骨が吸収されないから後戻りがないかと言ったらそれはまた別問題になります。
鼻先の骨格の鼻翼軟骨は触ってもらうとわかるようによく動く部分です。
鼻先に軟骨移植をした場合、移植軟骨が吸収されなかったとしても、土台の鼻翼軟骨がある程度落ちてしまって後戻りするリスクはあります。
なるべく後戻りを減らしたい場合は、土台を強化してなるべく沈まないように内側脚の間に軟骨の柱(ストラット)を立ててあげると土台が強くなって後戻りのリスクを少し減らすことができます。
あとは、鼻中隔延長であっても、鼻中隔に移植した軟骨が少しずつずれてしまったり、延長した鼻中隔が傾いてきて鼻先の高さが後戻りするリスクはあります。
まとめ
以上が、簡単ですが、「移植した軟骨は吸収されるのか」ということについての解説でした。
基本的に軟骨は吸収されにくく、柔軟性はありますがしっかりしていて鼻先に使いやすい素材です。
軟骨は長期にわたって吸収されにくいので、鼻先を高くしたい方は、軟骨移植や鼻中隔延長を安心して受けていただければと思います。
ただし、吸収されにくいとここまで説明した軟骨ですが、どの手術においても、ある程度後戻りの可能性はありますのでご理解していただければと思います。