20年以上の実績を持つ美容外科専門医。丁寧で繊細な施術でお客様の望む実現を目指す。 「お客様のもつ本来の美しさを引き出す」ことをモットーに「もとび」美容外科クリニックを設立。
眉下切開と二重全切開の効果と適応とリスクを徹底解説!症例写真もご紹介
作成日:2025.4.22

眉下切開と二重全切開について
眉下切開と二重全切開というのがありますが、どっちをやった方が良いか迷ってる方や、勘違いしている方などいらっしゃったりします。 以前も「眉下切開と二重全切開のどちらを選ぶべきか症例写真で解説」というコラムで眉下切開と二重全切開について解説していますが、今回のコラムでは眉下切開と二重全切開について復習も兼ねながら解説しますが、効果や適応、リスクに関してそれぞれの違いという点についても解説していきたいと思います。
まぶたが厚ぼったくていやだなとか、二重を広くしたいんだけどどんな手術が良いのかと考えている方に参考にしていただければと思います。
簡単に言うと眉下切開は眉の下を切ってまぶたのたるみを取る手術です。
二重全切開については、二重を切って二重を安定させる手術になります。
どちらも瞼の厚い方に対して行う手術だったり、二重を広くする手術だったりするので、先ほど言ったようにどちらにしようか迷われる方がいらっしゃるんだと思います。
眉下切開と二重全切開は、そもそも目的も結果も全く違う手術です。
眉の下を切るか、二重のラインを切るかでまったく効果が違ってきますのでご自身の瞼の状態と、ご希望に合った施術をしっかり見極めすることが重要です。
眉下切開と二重全切開の効果
では、ここからは、眉下切開と二重全切開について、効果と適応、あとはリスクについて比較しながら解説していこうと思います。
眉下切開の効果
まずは眉下切開の効果についてですね。
今まで何度も解説していることですが、復習としてみていただければと思います。
眉下切開は図のように眉の下を切開して上瞼のたるみを切除します。
そうすると眉を上げない状態でも、眉を上げたように瞼のたるみを持ち上げることができます。
ちなみに、この眉下のたるみ具合は人それぞれですが、たるみ切除の最大幅は平均8,9mmくらいで、それくらいの幅のたるみがなくなってすっきりします。
本題のたるみが持ち上がるとどういう効果があるかというと、大きく4つ効果があります。
①たるみがとれることでまぶたが軽くなり、目が開けやすくなります。
眉を上げなくても済むようになるため、人によっておでこのしわが出なくなったり、頭痛肩こりが改善します。
②たるみがへることで二重が広くなります。
③まぶたが引き上がることでたるみが減るだけでなくの瞼の厚みや腫れぼったさがスッキリします。
④たるみが引き上がることで本来の黒目が大きく出るようになり、まつ毛の生え際も見えやすくなってデカ目効果があります。
また、まぶたがむくみやすい人では、眉下切開と同時に眼窩脂肪を切除したり、ROOFを切除したりしてより瞼をさらにすっきりさせることもできます。
以上が眉下切開の効果です。
二重全切開の効果
次に二重全切開の効果について話します。
二重全切開法は、この図のように一重の人を二重にしたり、二重を広く作ったりして安定させる手術です。
切開することによってしっかり組織を癒着させて埋没法より二重を安定させることができます。
二重全切開では希望の二重部分を切開して瞼の皮膚とまぶたを開ける力が加わる裏側の組織を連結させます。
このイラストで言うと、表側の前葉という組織と、裏側の後葉という組織を作りたい二重の位置で連結させるんですね。
そうするとこの絵のように、目を開けると連結部分が引き込まれて二重になります。
ただ、二重全切開の場合、二重部分を切開することで同時にいろいろな操作が可能になります。
例えば
・目の開きを良くする眼瞼下垂の手術が同時にできたりします。
・他に眼窩脂肪を引き下げることで、二重を狭くしたり、三重を改善させたり、くぼみ目を少し改善したりすることもでできます。
・あとは、眼窩脂肪やROOFを切除して瞼のボリュームを減らしたり、
・まつ毛側のたるみを引き上げたり眼輪筋を切除したりしてハム目感を減らしたり、
・二重に乗っかるたるみを少し切除することもできます。
二重全切開で二重をしっかり作りだけでなく一度にいろいろな効果を出すことできるんですね。
ただ、さっき、二重に乗っかったたるみを少し取れると言いましたが、ここで一つのポイントについて話しますが、二重全切開でたるみを取ると必ず瞼に厚みが出てしまいます。
以前に何度も話していますが、瞼は上に行くほど(眉に近づくほど)皮膚の厚みが急激に増します。
なので、二重部分で皮膚を切除して中抜きしてしまうと眉側のより厚い皮膚が落ちて来て必ず厚ぼったさは増してしまいます。
二重部分でたるみを取ると余計に厚ぼったくなってしまうということなんですね。
このように厚くなってしまうと不自然感が出ることも多く、もう戻せません。
某タレントさんが眼瞼下垂の手術をした際に二重部分で皮膚切除して不自然に厚ぼったくなったのを知っている方もいらっしゃるかと思います。
これは、たるみを切除するには二重全切開でなく眉下切開が良いと言われる理由のなのでよく覚えておいてください。
眉下切開の二重全切開の効果の違い
さて、眉下切開の二重全切開の効果について2つの施術の違いという点から見てみましょう。
まず、基本的な手術の目的は2つの手術では違います。
眉下切開はたるみを取る手術、二重全切開は二重を安定させる手術で、同時に目力を出したりして他の調整もできる手術ですね。
2つの手術で悩まれている方は、瞼の厚ぼったさを減らしたい、二重を広くしたいと希望されている方が多いと思いますが、その観点から話します。
まず、まぶたの厚みを減らすという観点から言うと、眉下切開はたるみを引き上げて主に皮膚や眼輪筋、つまり表側の厚ぼったさ、見た目の厚ぼったさを減らすことができます。
眉下切開は見た目の厚みを効率的に減らすことができる手術です。
逆に、二重全切開では、二重を広くすることで、先ほど言ったように上に行くほどより厚くなるので、より皮膚に折り目がつくことになり厚ぼったさは増してしまいます。
たるみを切除するとさらに中抜きされてさらに厚みが増してしまいます。
なので、二重全切開では基本的に厚ぼったさはとれなくて、かえって増してしまうことがあると思ってもらうと良いと思います。
二重全切開で厚ぼったさが取れると誤解している方もいるのですが、とれないどころか厚みが増すことがあるんですね。
ただ、二重全切開でも眉下切開でも同時にROOF切除や脂肪とりをおこなうことができます。
なので、二重全切開でも目全体のボリュームを減らすことはできます。
ただし、眼窩脂肪もROOFも皮膚や眼輪筋より深い部分のボリュームなので見た目の変化としてはあまり変わらないことも多いです。
もちろん、眼窩脂肪やROOFのボリュームが多く、除去すればすっきりする方もいらっしゃいますが、どちらかというと少数派で、切除したとしても見た目の厚ぼったさの変化が少ないこともあります。
眼窩脂肪やROOF切除の適応自体そもそもない方も多いです。
また、眼窩脂肪やROOFのボリュームを減らすと将来的にくぼみ目が悪化するリスクもあります。
これらについては以前のコラムでも解説していますのでご参考ください。
結局、瞼の見た目の厚ぼったさを減らすのは眉下切開の方が適している方が多いんですね。
二重全切開は基本的に厚ぼったさや腫れぼったさを減らすのが目的ではなくて、二重を安定させるついでに腫れぼったい人がなるべくボリュームを減らすというものなんですね。
逆に、先ほど言ったように二重全切開をして二重を広くしたりたるみを切除すると余計に厚ぼったさは増してしまいます。
なので、まぶたの見た目の腫れや厚みを気にしている人は二重全切開ではなく、まず眉下切開を考える必要がります。
次は、二重を広くするという観点から効果の違いを見ていきます。
眉下切開の場合は二重術ではいないので二重は作ることはできません。
ただ、もともと二重の人はたるみが減ることで眉を引き上げたように自然な感じで二重が広くなります。
また、眉下切開の後に二重術をおこなう場合は、二重が広く出やすくなります。
一方、二重全切開の場合は、二重を安定しやすく作ることができます。
ただし、解剖学的に全切開で作れる二重幅は閉眼時に皮膚にテンションをかけた状態でまつ毛から10㎜までになります。
なのである程度の二幅までになります。
二重全切開は二重を作るという点では強力です。
二重全切開をする人は二重がつきにくいまぶたの厚ぼったい方が多いですが、二重を広くしたりすると二重が厚ぼったくなり、ハム目感も出て不自然さが出やすくなってしまいますのそのあたりは注意が必要です。
たるみがある方では、まず眉下切開をおこなって二重が広くなりやすくしたうえで二重全切開などの二重術をおこなったほうが無理した二重になりにくいのでおすすめです。
以上ですが、簡単に言うと、眉下切開は自分の目もとを生かして自然な感じに厚みを減らしたり二重を広くしたりするというイメージで、二重全切開はどちらかというと力技で、二重を広く作ったり、目の開きを良くしたりという効果になるかと思います。
眉下切開と二重全切開の適応
次は眉下切開と二重全切開のそれぞれの適応について見ていきます。
眉下切開に適応のある方
まず眉下切開です。
前の効果のところで説明しましたのでそれでだいたい適応は分かるかと思いますが、眉下切開の適応について言いますと、
①上まぶたの皮膚がたるんでいて気になる方
②二重を自然な感じで広くした方
③瞼の厚ぼったさを減らしたい方
④デカ目効果があるので目を大きく明るく見せたい方
この4つになります。
あとは、一重のままでいたいけれど目を大きくしたいという方にも非常に適しています。 そのように希望されて眉下切開をおこなう男性の方は多いです。
眉下切開をしてはいけない方
適応というのは大事ですが、手術してしまうと後に戻すことはできませんので、眉下切開をやってはいけない人というの知っておくのも重要です。
眉下切開をしてはいけない方は、
①たるみがない方
⇒ 眉を上げると二重が消えてしまったり、目が閉じにくくなる方ですね。
②くぼみ目の方
⇒ くぼみ目が悪化してしまいます。たるみがあることでくぼみ目は目立ちにくくなりますが、眉を上げるとくぼみ目になってしまうという方は辞めた方が良いです。
③皮膚が薄く緩くて小じわが出やすい方
⇒ 眉下切開をすると引っ張る方向にしわがでやすくなり、縦方向に小じわが出やすくなります。なので、眉を引き上げると縦や斜め方向に小じわが出るの人はやめた方が良いです。
④眉挙上癖が強くて、額にもたるみがある年配の方
⇒ 眉下切開でたるみが軽くなると眉が下がりすぎて目と眉が近づきすぎてしまう可能性があります。いわゆる藪にらみの目になってしまうのでおすすめしません。
二重全切開に適応がある方
次に二重全切開の適応について解説します。
二重全切開は基本的に二重をしっかり安定させる手術です。
なので、適応としては、
①瞼が厚く二重がつきにくい人
②二重を戻りにくくしたい方、何度も埋没法が戻ってしまう方
になります。
あとは、先ほども言ったように、二重全切開では、同時に眼瞼下垂を治したり、眼窩脂肪を下げたりなどの手術もできるので、
③眼瞼下垂を改善させたり目力を出したい方
④くぼみ目の改善、三重の改善などを行いたい方
⑤二重を狭くしたい方。
⑥目頭切開と二重全切開を組み合わせると二重は平行型になりやすくなるので、平行型にしたいという方にも適応があります。
二重全切開をしてはいけない方
二重全切開についても、適応がない方についてお話しします。
二重全切開をしない方が良い人は、
①ふたえを微調整したい方、細かい左右差が気になる方
⇒全切開は癒着で二重を作りますので、癒着具合や瞼の構造の左右差で二重の左右が出ることがあります。もどりにくいぶん修正しにくい手術でもあるので、細かい調整を希望される方は二重埋没法の方が良いでしょう。
②ダウンタイムがあまりとれない方
⇒二重全切開は腫れが目立ちやすく、1か月はダウンタイムで見てもらっています。完成までは半年から1年かかります。
③瞼を厚ぼったくしたくない方
⇒二重全切開は厚い瞼に二重を作ったり、たるみを切除することで二重に厚みが目立ちやすくなることがあります。厚ぼったくしたくない方でたるみがある方は、まず眉下切開をおこなうことをおすすめします。
④たるみが強い方
⇒まぶたが薄い人では二重全切開でたるみはある程度取れることがありますが、通常は厚ぼったくなって不自然になりやすいのであまりたくさんたるみは採れません。たるみがあると二重幅がでにくいですし、たるみが強い方の場合も、まず眉下切開をおこなうのが良いです。
眉下切開の二重全切開の適応の違い
眉下切開と二重全切開の適応の違いについて考えると、基本的には前に二つの効果の違いを解説と同じ感じになりますが、 眉下切開はたるみを減らす手術なので、たるみがあることが適応ですし、二重全切開は二重をつくる手術なので二重ができにくい、二重をしかっかり作りたいという方が適応ということになります。
また、先ほど話したように、イメージとしては、眉下切開は自然な感じで目を大きくしたいという方に適応があり、二重全切開は、自分の瞼にやや無理をしてしっかり二重を作りたいという方や同時に目力を出したり組み合わせの手術をしたい方などに適応があるという感じになるかと思います。
眉下切開と二重全切開のリスク
眉下切開のリスク
次はそれぞれの手術のリスクについてお話ししようと思います。
まず、眉下切開のリスクについてです。
7つお話しします。
①傷
眉下切開のリスクまず一つ目は傷のリスクです。
切開してたるみを切除しますので眉の下に傷ができます。
傷は消えませんが、最終的に白くなって目立ちにくくなるのと、眉毛に隠されてかなり目立ちにくくなることが多いです。通常バレることはあまりありません。これについてはコラム「眉下切開の傷跡はどのくらい残る?」でも解説しているので参考にしてください。
②縦ジワ
次は、眉下切開のリスク2番目ですが、縦じわのリスクです。
皮膚が薄く小じわが出やすい人では、引っ張られる方向にしわが出やすくなります。
眉下切開では縦方向に引き上げるので縦や斜めに走る小じわが特に眉頭側に出ることがあります。
また、場合によっては二重から斜め上に伸びるラインが出たりすることもあります。眉を引き上げてみて縦に小じわやしわが出る場合は、注意が必要で、場合によっては手術をお勧めしません。
③くぼみ目
リスク3つ目は、くぼみ目のリスクです。
眉下切開をすると眉を引き上げることで瞼のボリュームが減ってすっきりする方向に行きますが、くぼみ目の方ではくぼみ目が強調されてしまうことがあります。
眉を上げてシュミレーションをしてみて、くぼみ目が悪化するようなら手術をお勧めしないことがあります。
④目頭側の二重を広くするのは難しい
リスクの4つ目としては、目頭側の二重を広くすることは難しいということです。
眉下切開でたるみを減らすことで二重は広くなりますが、目頭側はたるみが少なく、眉頭側まで全部切開すると傷が目立ちやすくなるので、眉下切開ではあまり目頭側を引き上げません。
たるみは、瞼の真ん中から外側にかけて強いので、眉下切開で二重は真ん中から外側にかけて広くなります。
なので、眉下切開では、目頭側の二重幅はあまり広くならずに、真ん中から外側に二重幅が広くなりやすくなり、二重の末広感が出ることになります(図)。
これをつり目になったという人がいますが、目尻の位置は変わらないので正確にはつり目になるわけではありません。
目頭側の二重を広くするには、眉下切開とは別に、目頭切開や二重術をおこなう必要があります。
⑤兎眼
5つ目のリスクとしては兎眼というのがあります。
たるみを切除しすぎると目が閉じにくくなって、兎眼と言われる状態になります。
通常、目が閉じる範囲で適正にたるみを切除すれば起こることではありませんが、もともと目が閉じにくい人もいて、そのような方では兎眼気味になったり、ドライアイが悪化したりするリスクがあります。
⑥二重のラインが浅くなる
6つ目は、二重のラインが浅くなって、外側のラインが短くなるというのがあります。
たるみが減ると二重のかぶりが減ってラインは浅くなります。
二重が浅くなると二重ラインの外側の部分が消えて短くなりやすくなります。
特に不自然になるわけではありませんが、眉を上げてシュミレーションしてみて二重が気に入らなければ眉下切開はよく考えていただく必要があります。
⑦目と眉が近くなる
あとは、最後に7つ目ですが、目と眉が近づくというのがあります。
眉下切開では眉が若干下がることと、たるみが取れて目が大きくなるぶん目と眉が近く見えるようになるというのがありますが、目と眉がもともと近い方でも問題なくおこなっていただくことはできます。
ただし、常に眉を挙上して目を開けている癖が強い方や、年配の方でおでこもたるんでしまっているような方では眉の下がりが強くなって目と眉が近づきすぎてしまうことがあるので注意が必要です。
以上が眉下切開のリスクでした。
二重全切開のリスク
それでは次に、二重全切開のリスクについて話したいと思います。
こちらも7つお話しします。
①二重のラインが食い込んだり、凸凹する
まず一つ目は二重のラインが食い込んだり、凸凹するリスクです。
二重全切開は組織を切除したり、深く二重を癒着させて作るためにラインが食い込んだり、凹みができるリスクがあります。
組織を切除しすぎると凹みが目立つので、当院では、組織の切除は必要最低限にしています。
②左右差
二つ目は左右差のリスクです。
二重全切開では、まぶたの表と裏側をがっちり癒着させて二重の構造を作りますが、目は左右で組織のボリュームや解剖的な位置は微妙に違うため、正確に同じ高さに二重を作っても見かけ上二重の左右差が出ることがあります。
また、二重の癒着の仕方についても左右で違って、二重の左右差が出てしまうことがあります。
二重埋没法では瞼の表と裏の高さを微調整して二重の左右差を調整しやすいですが、二重全切開の場合は微調整しにくいというのがあります。
③修正しにくい
3つ目は修正しにくいというリスクがあります。
二重全切開は二重を戻りにくくしますが、逆に戻しにくいということであり、修正が埋没法程簡単ではありません。
傷が若いうちに再手術してしまうと拘縮が強く出てしまいますので、修正するにしても傷が完成するまで、半年から1年ほど待ってからでないと再切開できません。再手術をするたびに傷は余計に拘縮したり目立ったりしやすくなるため、何度も修正するのはリスクが伴います。
④ダウンタイムが長い
全切開の4つ目のリスクは、ダウンタイムが長いというのがあります。
まぶたが薄い人ではダウンタイムは短い傾向はありますが、全切開をする方は瞼が厚くて二重がつきにくい方が多いので、見た目の不自然さが落ち着くまでは1か月ほど見ていただいています。
つまりダウンタイムは1か月ということになります。そして本当の完成までは半年~1年見てもらっていますので、術後は完成まで長い目で見てもらう必要があります。
⑤眼瞼下垂の悪化
次はリスクの5つ目です。
二重全切開単独の場合、目の開きが悪くなるリスク、つまり眼瞼下垂が悪化することがあります。
二重全切開をおこなうことで二重がしっかり癒着て二重になりやすくなる半面、癒着により、瞼に負荷がかかって目の開きが弱くなることがあります。
なので、眼瞼下垂が少しでもある方は同時に眼瞼下垂の手術、挙筋前転術を同時におこなうことをおすすめすることもあります。
⑥厚ぼったさが増す
リスクの6つ目は厚ぼったさが増すリスクです。
これは先ほどの繰り返しになりますが、大事なことなのでまた言わせてもらいますが、瞼は上に行くほど厚みがぐっと増します(図)。
なので、二重を広くすると厚みは必ず増します。
また、二重部分でたるみを切除した場合、まぶたがすごく薄い人を除くたいていの人では、瞼が中抜きされて上部の厚い皮膚が落ちて来て見た目のまぶたは必ず厚ぼったくなってしまいます。
二重全切開と同時にROOF・眼窩脂肪除去することで瞼の全体のボリュームを減らすことはできますが、深い部分の変化なので見た目の厚みをへらすに効果には限界があります。
なので、 基本的に二重全切開で瞼の厚みを減らすのは難しいことが多く、逆に厚みを増すことの方が多いと思っていただいたほうが良いです。
眉下切開の二重全切開のリスクの違い
以上が眉下切開と二重全切開のリスクについてでした。
リスクに関してはそれぞれの手術で特有のリスクが多いです。
なので、それぞれの手術を比較しての違いというのはなかなか難しいですが、あえてリスクの特徴を言うなら、 眉下切開は、老化の原因の一つのたるみを減らす手術ですが、手術によってその他の老化が目立ってしまうリスクがあるということでしょうか。
たとえば、くぼみや縦じわ、目と眉が近づくといったリスクですね。
当然、これらのリスクは年配になるほど増える傾向があります。
なので、眉下切開はなるべく若いうちに行ったほうが良いというのがあります。
こちらのコラムも参考にしてください。
一方、二重全切開について言うと、眉下切開と逆に、年配になるほど増えるくぼみ目や眼瞼下垂の老化を力技で同時に改善することができます。
ただ、二重全切開は力技で二重を作るのでやや不自然感が出たりするリスクがあるということになります。
あえてリスクの特徴を言うとそんな感じになるかと思います。
症例写真
それでは、眉下切開と二重全切開のそれぞれの症例写真を見てもらってその効果をもらおうと思います。症例は二人ずつ紹介します。
眉下切開①
まず眉下切開一人目の方です。
(手術前)⇒(6か月後)


この方は瞼の厚みが気になるというのと、二重を少し広くしたいとのことで眉下切開をおこないました。
半年後の画像を見ていただくと、瞼の厚みがスッキリしたのが分かりますね。そしてたるみが減ったことで隠れていた二重が見えるようになって二重幅が広くなりましたね。
二重全切開で二重を広くしようとすると逆に厚ぼったくなってしまいますが、眉下切開では厚みも取りながら二重を広くしてくれます。
あとは、たるみが減ったことでまつ毛の生え際がはっきり見えるようになってアイライン効果が出て、隠れていた黒目も大きく見えるようになってデカ目効果が出ています。
こんな感じで、眉下切開をすると、まぶたがすっきりして二重も広くなって目も大きく明るく見えるようになって素晴らしい効果が出ます。
人気の施術の意味が訳が分かりますね。
眉下切開②
次は眉下切開の2症例目の方です。
(手術前)⇒(6か月後)


この方は術前は、瞼のたるみが強くて厚ぼったく見えていますね。
たるみで黒目やまつ毛の生え際が隠れて目が小さくきつい目に見えてしまっていました。
では、眉下切開6か月後の画像を見てください。
全然違う人の目のように目元が明るく大きくなりましたね。
やった手術は眉下切開だけです。
たるみを取ったことで隠れていた本来の目が見えるようになりました。
厚ぼったさも減って目全体の印象がすっきりしましたね。
術前は目と眉の距離がややあったので間延びして見えましたが、術後は目と眉も近づいてバランスが良くなりました。
眉下の傷もほとんど分かりません。
もし、この方が眉下切開をせずに二重術をおこなったらどうなるでしょうか。
考えてみてください。術
前の画像で二重を無理やり作ってもハム目になるだけできれいな二重にならないのは想像しやすいかと思います。
眉下切開をしてたるみが取れた状態で二重術をおこなうと無理なく自然な感じで二重幅を広くすることができます。
二重術を考える前に眉下切開の適応があるか考えた方が良いというのが分かっていただけると思います。
それで次に二重全切開の症例写真を見てもらいます。
二重全切開①
(手術前)⇒(6か月後)


この症例の方は、もともと二重埋没法をおこなってい方でしたが、戻ってしまったとのことで絆創膏で二重を作っていました。
もう少し広い二重をしっかり安定させたいとご希望があり二重全切開をおこないました。
ちなみに、離れ目が気になるとのことで目頭切開も同時にしています。
半年後の画像を見ていただくと、広い二重がしっかり安定してつきましたね。
半年後なのでほぼ完成です。
もともとまぶたはあまり厚い方ではなかったので、二重の食い込みや不自然感はあまりありません。
目頭切開で目の幅も広くなり、幅広の少し平行型の二重にもなり、目全体の印象が華やかになりましたね。
当院では中縫いでしっかり硬い瞼板前組織に連結して固定していますし、外縫いの際にアンカー固定をしてなるべくしっかり二重を癒着させて安定するようにしています。
二重全切開②
次は二重全切開の二人目の症例です。
(手術前)⇒(6か月後)


今回の方は二重全切開と目の開きを良くする挙筋前転術(眼瞼下垂の手術ですね)と、目頭切開を同時におこなっています。
あとは、ご本人はまぶたがむくみやすいとのことで、ご希望もあってROOF切除と脂肪とりもおこなっています。
術後は全切開で二重がしっかりついたのが分かります。眼瞼下垂の手術で目力も出て目が大きくはっきりとしましたね。
目頭切開で目の横幅も出ています。
二重の全切開ではこのように同時に眼瞼下垂の手術もおこなってさらに目を大きくすることができます。
今回はご希望があってROOF切除や脂肪とりおこないましたが、二重を広くしたのもあって、あまり厚ぼったさは改善していないように見えますね。
見た目の厚ぼったさは皮膚や筋肉の厚みであることが多いので、二重全切開でROOFや眼窩脂肪を除去しても厚ぼったさは改善しにくいことも多いです。
眉下切開+二重全切開
それでは最後に、おまけで眉下切開と二重全切開をおこなった症例も見てもらいます。
(手術前)⇒(6か月後)


この方も以前に二重埋没法をおこないましたが、二重が狭くなってしまいました。
また、目の開きも気にされており、ぱっちりした二重にしたいとご希望されました。
もともと二重全切開を希望されましたが、ややまぶたにたるみがあり、そのまま切開するとハム目感が出たり、食い込みが強くなりそうでしたので、まず眉下切開をおこなうことになりました。
眉下切開をすることで厚ぼったさを減らして二重幅が出やすくなります。
そしてそのあとに、二重全切開+挙筋前転術をおこなって目の開きを良くさせつつ広い二重を作りました。
半年後の画像を見ると、広めの二重がしっかり出て、目力も出て目が大きくなりましたね。
眉下切開をしたことで二重幅が出やすくなったのでハム目感もそれほど強くありません。
この症例の方の場合は眉下切開の二重を広くする効果と、全切開のしっかり二重を作る効果と、同時に目力を出す効果を組み合わせることで、ご希望通りの、より自然な広い二重とぱっちりした目を作ることができました。
まとめ
長くなりましたが以上が、眉下切開と二重全切開のそれぞれについてのお話でしでした。
それぞれの施術について、適応や効果についてもイメージがお分かりになりましたでしょうか。
繰り返しになりますが、おまかなイメージとしては、眉下切開はたるみを取ることで瞼の厚ぼったさを減らす手術で、自然な感じで二重や目を大きくすることもできます。
二重全切開は、瞼を切開してやや無理してしっかり二重を作っていく手術で、ついでに目力を出したりできるよという感じです。
基本的に眉下切開と二重全切開をどちらにしようか迷っている方は、二重を広くしたい方とかまぶたの厚ぼったさやたるみを改善させたい方になると思いますが、二重を広くしたい方は、まず眉下切開の適応があるかを考えると良いです。
そこで、たるみがない方は二重埋没法や二重全切開で二重を広くすると良いかと思います。
あとは、厚みやたるみが気になる方の場合ですが、基本的に二重全切開では厚みやたるみを減らすことは難しいことが多いので、眉下切開を考えると良いということになります。