目尻や眉間、おでこのしわをボトックスで改善・治す方法
作成日:2015.8.18 更新日:2024.1.5
目尻や眉間、おでこのシワ、気になりませんか?
年齢と共に現れるしわですが、そのまま放置しておくとどんどん深くなっていきます。
シワの深さが深いほど老けて見える原因になります。
しわには、
・表情ジワ
(動きでできるシワ)
・くぼみや溝によるシワ
(無表情の状態でもあるシワ)
の2つがあります。
2つのシワの治療には、ずばり
表情ジワ ⇒ ボトックス
溝によるしわ ⇒ フィラー注入(ヒアルロン酸など)
が適しています。
まずは、自分が気にしているシワが表情ジワなのかくぼみや溝よるシワなのか、もしくはそれらの組み合わせなのかを見極め、どの治療が良いのか考えることが大切です。
今回は、ボトックスによる目尻や眉間、おでこといった表情じわに対するしわ・若返り治療について詳しく解説していきたいと思います。
目次
表情ジワとは
「笑う」「しかめる」など顔の表情を作った時にできるしわです。
表情じわはその表情を作るたび、年齢とともに深くなっていってしまいます。
そこで、表情ジワにボトックスを注射すると、マイナスの表情が抑えられるだけでなく、しわが刻まれるのを予防することができます。
もちろん、全ての表情を抑えてしまうと、無表情の状態になってしまい、顔がきつく、不自然に見えてしまうという事が起きてしまいますので、 目を笑わせたり、口角を上げたりというプラスの表情には作用しないように注意して注射します。
また、クセがついてしまった表情じわに関しては、ボトックスで動きを抑えるだけでなく、 コラーゲン注射やFGFなどを併用することで、クセになってしまったしわを改善することができます。
ボトックスとは
ボトックスは、ボツリヌス菌だから怖いというイメージを持たれている方もいらっしゃいますが、決してボツリヌス菌ではありません。
美容で用いられているボトックスとはボツリヌス菌がつくるボツリヌストキシンを人工的に作ったものです。
食中毒のボツリヌス菌のように大量に産生したボツリヌストキシンが体内をめぐると呼吸が止まって死に至ることもありますが、そんな危険な量はもちろん使用しません。
通常の使用では、局所的にごく微量を使用するだけで、害はありませんのでご安心ください。
ボトックスの働き
ボトックスを注入すると、緊張している筋肉がリラックスした状態になり筋肉は動かなくなります。
表情筋が動かないと表情じわを抑制することが出来ます。
もちろん、表情のなかでもマイナスの表情だけを抑制しますので、お顔の印象を若々しく元気に見せてくれます。
【ボトックスで抑えられるマイナスの表情じわ】
前述のように、表情ジワは徐々に刻まれていってしまいますが、
ボトックスは動きを抑えることでしわが深くなるのを予防してくれます。
ですので、早いうちからボトックスでメンテナンスされている方はお顔が老けにくくなります。
また、ボトックスには、脂腺の働きを抑え、毛穴を整えて皮膚にハリを出す作用もあります。
ボトックスリフトと言って、ボトックスの濃度を薄くして細かく皮内に注射することで、 表情ジワを減らしながら皮膚にハリを出して小じわを改善し、若々しくさせる治療もあるんですよ。
ボトックスの種類
ボトックスビスタ(アラガンジャパン社)
元祖のボトックスで、世界的に最も普及し、臨床実験が十分になされ、効果も証明されているA型ボツリヌストキシン製剤です。
ボトックスビスタは、米国にあるアラガンの製造工場より徹底した管理の 下、製剤の活性を保持するために必要な5℃以下の温度を維持しながら日本へ輸入されるので、品質の高さも折り紙付きです。
日本で厚生労働省に認可されている唯一のボトックスです。
タンパク含有量が少なく、アレルギー反応や抗体ができにくいと言われています。
不純物の多いボトックスを長期間使用していると抗体ができて効果が出にくくなるリスクがありますが、ボトックスビスタではそのリスクを減らすことが可能です。
効果も安定しており微調整がしやすいです。
費用は高めですが、安全性と信頼性を考えるなら、最も安全性の保障された製品ですので最もおすすめの製品です。
もとび美容外科でももちろん使用しています。
ゼオミン(メルツ社/ドイツ)
2010年にアメリカFDAの承認を受けているA型ボツリヌストキシン製剤です。
複合タンパクなどの異物を極力取り除いた、純度の高いボツリヌストキシン製剤です。
不純物はアラガン社のボトックスの1/10と少ないです。
含有タンパクがほとんど無いため、抗体ができにくく何度注射しても効き目が無くなるリスクは少ないと言われています。
長く使うには最も安心なボツリヌストキシン製剤です。
また、大変安定したボツリヌストキシンで、効果の発現も早く質の高いおすすめのボツリヌストキシンです。
リジェノックス(HANS biomed社/韓国)
リジェノックスは、ボトックス(アラガン社)と同じA型ボツリヌストキシン製剤です。
2006年にKFDA(韓国食品医薬品安全庁)の認可を得て世界30 カ国で使用されています。
日本国内でも多数の症例があります。
ボトックス(アラガン社)と同等の効果を有することがKFDAにより認可された安全性の高い生物製剤です。
ディスポート(イプセン社/イギリス)
ボトックスと同時期に開発され、2009年4月にアメリカのFDA承認が下りたA型ボツリヌストキシン製剤です。
主にヨーロッパで用いられており、一説で は、ボトックスよりもしわ取り効果が高いと言われています。
希釈液剤として作られていて、注射後の薬剤の拡散の仕方がボトックスとは異なります。
輸入ルートが怪しい物もあるようなので注意が必要です。
ニューロノックス(メディトックス社/韓国)
KFDA(韓国食品医薬品安全庁)の認可を得ている安全なA型ボツリヌストキシン製剤です。
ボトックスと同等の効果があると言われています。
メディトキシン(テピョンヤン社/韓国)
ニューロノックスと同等の製品。
販売元はメディトックス社で、テピョンヤン社と合同販売をしています。
もちろんKFDA(韓国食品医薬品安全庁)の認可を得ています。
BTXA(Lanzhou社/中国)
中国製の安価なA型ボツリヌストキシン製剤。
ボトックスの1/4~1/5の価格で施術が可能です。
ただし、成分には豚のコラーゲン(ゼラチン)が入っているため、アレルギー反応が見られる確率が他の製剤よりも高く、また、品質管理に問題があり、ボツリヌストキシンの単位数が最大20倍を超えるバラつきがあります。
そのため、1回に大量の成分の注射がなされると抗体が作られ、ボツリヌストキシンA型による治療が一生無効になる危険性があるため要注意です。
当院のボトックスの種類についての解説動画もご参考ください。
効果の期間
ボトックス注射の効果は、2、3日~1週間前後で現れます。
効果が出てくる期間には個人差がかなりあります。
また、ボトックスの効果も少なからず個人差があり、同じ量を注入しても効きすぎるくらいに効果が出る方もいらっしゃれば、効果が少ないという方もいらっしゃいます。
効果が出ないという方は、注入量を増やす必要が出てきますが、最初から多めに注入すると効果が出過ぎて、表情がこわばってしまう方もいらっしゃるので注意されてください。
効果の持続期間は、3~6か月前後です。
こちらも、個人差もありますのでもっと早い段階で効果が切れる方もいらっしゃれば、半年~1年くらい持続したという方もいらっしゃいます。
ですが、平均すると3~4か月と言えます。
ボトックス注射のリスク
ボトックスは注射で筋肉の動きをある程度の期間止める治療ですので、リスクや副作用が気になるところですね。
リスクの多くは注射方法によってコントロール可能です。
リスクを知ってなるべく”失敗”の確率を減らしましょう。
頭痛
ボトックス注入後の副作用として頭痛の可能性があります。
ボトックスを注入した筋肉の動きが抑制されるため、筋緊張のバランスが変わり、そのために緊張性頭痛が起こることがあります。
頭痛はずっと続くことはなく、数日~1週間程度で収まりますので、ご安心ください。
表情の過剰な変化
眉間
眉間に注射した際に、額部分にボトックスを注射してしまうと効果が額まで広がってしまうことがあります。
そうなった際は、額の中央部分だけがぐっと下がり、逆に外側の眉が上がってしまい、表情が不自然になる場合があります。
そのような場合は額の外側にボトックスを注入することで改善させることができます。
額
ヒトによっては少量でもよく効果が出て、額が上がらず重たさを感じることがあります。
逆に倍量打たないと効かない人もいらっしゃいます。
また目の上のたるみが強い方や目を開ける時に額の筋肉を使って開けている方は、目が開けにくくなることがあるので注意が必要です。
目尻
まれに眼窩内にボトックスが広がってしまい、瞼を上げる筋肉の動きが制限され目が開けにくく(眼瞼下垂)になってしまうことがあります。
眼窩近くに打たないようにしたり、針先の向きを調整してリスクを減らします。
目の下
目の下の眼輪筋は目を笑わせるのに大切な役割があり、目元の印象に重要です。
目の下にボトックスが効きすぎると目が笑わなくなってしまい、笑顔が不自然になってしまいます。
それを避けるために、黒目の外側より内側には注射しないようにします。
また、涙袋の近くに打つと、涙袋は筋肉ですのでボトックスにより涙袋が萎縮して薄くなってしまうリスクや、 目袋部分の眼輪筋に注射すると眼輪筋がうすくなってクマが悪化するリスクもあります。
小顔
咬筋と違う部位に注入したりして効果が広がりすぎると、口角を上げる筋肉に作用して口角が上がりにくくなるため、笑いずらくなることがあります。
咬筋にきちんと注入する必要があります。
口元
口輪筋や下唇下制筋などの筋肉にボトックスが効いてしまうと、唇の形が変形し食事が食べにくくなったり、しゃべりにくくなってしまうことがあります。
以上のリスクは、注入方法や注入量を間違えなければ減らすことが出来ます。
ボトックスの効果は3~4か月前後ですので、上記のような症状が出たとしても、いずれは元に戻りますが、その間はとても辛い日々になってしまいます。
痛み
ボトックス治療は注射の治療になります。
痛みが出るといっても注射の痛みなので、耐えられなくてできないという方は少ないですが、 クリニックによっては痛みが出にくく工夫しているところもあるようです。
痛みを軽減するために出来ることは、
・極細の注射針
・冷やす
・笑気ガス
・振動麻酔
・麻酔テープ
などがあります。
痛いのが怖いという方は、痛みに対してケアしてくれるクリニックを選ぶのも良いかもしれません。
内出血
注射をするという事は確率として内出血のリスクは伴います。
ただ、ボトックスなどの注射の治療であれば直後からお化粧ができますので、コンシーラーなどで隠すことが可能です。
内出血は程度にもよりますが、1~2週間前後で引いてきますので、大事なご予定がある直前は避けた方が良いかもしれません。
催奇形性(※男女ともに)
妊娠中や授乳中にはボトックスは注射できません。
ボトックスが注射されると胎児や精子形成に何らかの影響がある可能性があります。
女性では2回の月経が終了するまで、 男性では3か月間は避妊していただきます。
美容目的のボトックスは、女性に多く注射するものですので、ボトックス注射後すぐに妊娠が発覚される方もいらっしゃるようです。
胎児にあまり影響がないことも多いようですが、奇形の確率が上がってしまう可能性があります。
妊娠が発覚して不安な日々を過ごすことがないように気をつけたいですね。
クリニックの選びのポイント
料金
価格はクリニックごとによって様々です。
相場よりお安いクリニックでは、営業のカウンセラーが高い治療をすすめて単価を上げようとすることが多いようです。
カウンセラーさんには成功報酬がつきますので、不要な高額治療をどんどんすすめるケースがあり注意が必要です。
また、お安いと初心者のドクターが担当したり、治療時間があまり取れずに処置が雑になってくる可能性も高くなります。
逆にかなり高額で設定しているクリニックもありますが、使用してるいるボトックスの種類や手技で差別化することは難しく、単なる営業方針やブランドということも多いようです。
ただ、安全性の高いボトックスではやはり仕入れ値が高く、料金は高めの設定になっていることが多いです。
ご予算は人によって様々だと思います。
いくつかクリニックの料金を調べてみて、自分が納得できる価格帯で、しつこい営業もされずにおこなってくれる信頼できるクリニックにお願いするのが良いでしょう。
ドクター
注入の仕方はドクターによって違います。
毎回同じクリニックで治療していても、注入するドクターが違えば効果が違うことはもちろんあります。
ただ最近はボトックスの会社が一般教育に力を入れており、だんだんとドクターによる効果の違いはなくなりつつあります。
それでもやはり症例経験が多いドクターの方がリスクを減らすことが出来ます。
額など特に注入量の調整が必要な部分は、なるべく同じクリニックでおこなうか、
別のクリニックで行う場合は、注入単位数や注入部位をご自身で把握しておく方が安心して治療が受けられますよ。
まとめ
ボトックスは世界中でおそらく何百万人という人が行っている治療で、きちんとおこなえばとても効果的で安全な治療です。
例外なく皆さんの顔のシワは年々深くなり、確実に老化していきますが、 簡単に注射でシワを改善させ、予防することが出来ます。
自分のシワには何が良い治療なのかを見極め、上記でお伝えしたポイントを抑え、うまくボトックスを活用することをおすすめします。
若々しくなりたい、しわ対策をとりたい、もしくは老化を予防したいという方は是非ご検討になってください。