目の上のたるみとり(眉下切開)は何回でも手術できるの?眉下切開の経験豊富な医師がお答えします。
作成日:2023.11.3 更新日:2024.4.6
眉下切開は上瞼のたるみを切除することで、瞼の厚みを減らし、自然な感じで二重幅を広くすることができる人気の手術です。
ただ、眉下切開をした後に、まだたるみや厚みが気になるなどでもう一度眉下切開できないかとご相談される方もいらっしゃいます。
眉下切開は何度もすることは可能なのでしょうか?
今回のコラムではそのことについて解説します。
目次
眉下切開とは(復習)
ここでは、眉下切開の効果について簡単に復習します。
充分ご存じの方ではここは読み飛ばしてください。
眉下切開は図のように眉毛の下を切開して上瞼のたるみを切除する手術です。
眉を持ち上げたような仕上がりになります。
主な効果は以下の3つです。
- 上瞼のたるみや重みが取れる
- 二重が自然な感じで広くなる
- 瞼の皮膚や筋肉が引き延ばされて厚みが薄くなる
具体的に症例写真を見ていただきましょう
眉下切開はこんな感じで二重の幅が広くなります。
二重術で無理やり広くすると厚ぼったくなりますが、眉下切開では逆に厚みを減らしながら二重を広くすることができます。
また、上瞼のたるみが引き上げられることで、上瞼の厚みが減ってまぶたをすっきりさせる効果があります。
傷は白っぽくぼんやりして治っていき、よく見ないとわからないくらい目立ちにくく治っていきます。
こんな感じの大変効果的な手術です。
詳しくは眉下切開の解説ページをご参考ください。
眉下切開は何度も施術ができるか
それでは、果たして上瞼がたるむたびに何度も手術をすることができるのでしょうか?
結論から言うと何度も手術することはできません。
基本的に1回でしっかりたるみを取るものと思っていただく手術と思ってください。
ただし、初回の手術が控えめな切除でたるみがまだかなり残っている方や、眉を引き上げてみて、内側の縦じわが出にくい方では再手術することは可能です。
ただ、多くの場合は再手術は難しくなります。
では、なぜ眉下切開は再手術しにくいのでしょうか。
眉下切開の再手術をしにくい4つの理由
再手術がやりにくい理由は4つあります。
一つずつ解説していきます。
①内側中心に縦じわが出るリスクがある
内側の縦じわとは上瞼の目頭側に斜め外側にできるしわのことです。
眉下切開は傷が目立たないように、通常、眉毛の下のみ切開して皮膚などの組織を切除します。
顔を横断して全体の皮膚を切除するわけではなく、眉の下の皮膚だけの切除になります。
なので、切開部位が限られるため、皮膚を切除する部分と切除しない部分ができて、どうしても皮膚のズレや引きつれが出ます。
上まぶたの皮膚は大変薄い部分で、皮膚のズレがおこると、引き上げた方向にしわができやすくなってしまいます。
特に内側(目頭側)はズレが出やすく、眼窩(目玉が入っている穴)の凹みがあって組織も薄いため縦じわがでやすいです。
眉間を横断して全部切開すれば縦じわは出にくくなるのですが、傷が目立ってしまうのでそういうわけにもいかないのです。
そもそも縦じわが出やすくて眉下切開がそもそもできない方もいらっしゃいます。
ただ、通常はある程度までの皮膚切除は許容できるため、許容範囲内で皮膚を切除していきます。
内側縦じわは出てしまうと治すのは難しくなりますので、縦じわを出さないようにすることが重要で、初回の手術でも縦じわが出ないような範囲で慎重に切除幅を決めます。
また、しわが出やすそうな方では、上まぶたの組織をなるべく目頭側に寄せて縫う(ローテーション)させることで斜め外側に伸びるしわを出さないように工夫しています。
縦じわは切除する皮膚が多いほどズレが出て出やすくなります。
再手術となると切除量が多くなりさらにズレが大きくなってきますので縦じわが出るリスクがかなり高くなります。
見た目には問題ないように見えても2回目となると、皮膚のずれが強くなり手術するのは難しくなります。
なので、眉下切開は何回もできる手術ではないということになります。
この内側の縦じわというのが再手術を難しくする最も大きな原因です。
次に、内側の縦じわの以外の理由にについても解説します。
再手術が難しい理由の2番目にくぼみ目が悪化するというのがあります。
②くぼみ目が悪化する可能性
眉下切開をするとたるみが引き上げられることで瞼の厚みが減ってすっきりするのでまぶたが厚ぼったい方には良いのですが、くぼみ目の方ではボリュームが減ってくぼみ目が悪化してしまう可能性があります。
眉下切開では平均8㎜ほどの幅の皮膚や皮下脂肪を切除しますのでその分のボリュームが減るというのは当然なことではあります。
くぼみ目は年齢と共に加速する傾向がありますので、年齢を経てまたたるみを取りたいとなったときに、くぼみ目が進行してしまっていて再手術が難しくなることもあります。
初回の手術の場合もくぼみ目の方はお断りすることがあります。
次は3番目の理由です。
③兎眼になりやすくなる
眠っているのに白目をむいている人いますよね。
兎眼とはあのような感じで目が閉じきれないことを言います。
眉下切開をすると眉を引き上げるようにたるみを取りますので目が閉じにくくなる可能性があります。
2回目の手術をおこなうとさらに目が閉じにくくなり兎眼になるリスクがあります。
兎眼が悪化するとドライアイになりやすかったり、角膜に傷がついてしまう可能性があり注意が必要です。
また、そもそも兎眼になりやすい方では、初回の手術を受けられないことがあります。
次は最後の4つ目の理由です。
④そもそも切除できる余裕が少ない
一度眉下切開をしていると、見た目以上に皮膚に余裕がなくなっていることがあります。
二重は二重のラインに皮膚がかぶさることで作られますが、たるみを取りすぎると皮膚のかぶりがなくなって二重が浅くなりラインがはっきりしなくなってしまいます。
特に外側(目尻側)でラインが消えやすく、外側の二重が途切れてしまいます。
また、引き上げすぎると先ほどお話ししたように目が閉じにくくなって兎眼になるリスクも出てきます。
なので、たるみがしっかり残っている方でなければ再手術は難しく、あまりたるみがない方では再手術はできません。
以上が眉下切開の再手術ができない理由4つについてお話ししました。
ただ、前にも話しましたが、再手術ができる方もいらっしゃいます。
再手術が可能な方
次の方は再手術が可能です。
①1回目の眉下切開の皮膚切除が控えめな切除だった。まだたるみに余裕がある方
②1回目の眉下切開から十分に時間が経っていて、皮膚のたるみ余裕がある方
時間が経つと皮膚のズレがなじんで縦方向の緊張が減るので、引き上げる余裕が出てきます。
上の2つのパターンの場合は再手術が可能ですが、いずれも眉を引き上げてみたときに縦じわがあまり出ないということ、くぼみや兎眼のリスクがないということが必要になります。
では、もし眉下切開が再手術できた場合、どのようなリスクがあるのでしょうか。
再手術した場合のリスク
まずは、再手術が難しい理由と同じリスクがあります。
- 内側の縦スジが出るリスク
- くぼみ目悪化のリスク
- 兎眼になるリスク
- 二重が浅くなる、消えるリスク
です。
あとは、 - 傷が汚くなるというリスクもあります
最初の眉下切開の傷を含めて切除するので傷は増えないですが同じところを何度も切開すると傷が目立ちやすく汚くなるリスクがあります。
以上、再手術が難しい理由や再手術のリスクについてのお話でした。
何度も眉下切開ができないというお話をすると、最初の眉下切開はたるみがしっかり出てからやろうとおっしゃる方もいらっしゃいます。
ただ、年齢を重ねてたるみが強くなってから眉下切開をおこなうと、皮膚に張りがなくなるためより内側の縦じわが出やすくなるリスクが高まってきます。
また、前にも話した通り、くぼみ目が進行したりすることで眉下切開できない可能性も高まってきます。
眉下切開はどの年代でも可能な施術ですが8割ほどの方が20代のお若いうちにおこなっています。
年配になってたるみができってから目元を軽くするより、お若いうちからきれいな目元を保ったほうが長く手術の効果を出すことができて良いですよね。
また、たるみを一度リセットしておけば目元が老けにくくなりますし、数十年すれば皮膚のズレもなじんで再手術できる可能性が出てきます。
ですので、たるみがある方などではお若いうちに早めに眉下切開をするのをおすすめしています。
まとめ
眉下切開は再手術できるケースもありますが、基本的には1回でしっかりたるみを切除するような手術と思ていただくと良いです。(ただし、初回はしっかり皮膚を切除しないとだめかというとそうではなく、ご希望により調整して控えめに切除することも可能です。)
何度もできる手術ではないのでたるみが気になる方では、お若いうちに眉下切開でしっかりたるみを切除するのがおすすめです。
ご自身が眉下切開の適応があるか再手術は可能かわからない場合はぜひ無料カウンセリングをご利用ください。