眉下切開するとつり目になるって聞いたけど本当なの?眉下切開の効果とつり目の関係は?
作成日:2024.3.9 更新日:2024.8.5
眉下切開をしたいけどつり目になりたくないという方が結構いらっしゃいます。
ネットでいろいろな症例写真を見て心配されているようです。
眉下切開をすると果たしてつり目になるのでしょうか?
眉下切開とは(復習)
眉下切開は、眉毛の下を切開して上瞼のたるみを切除する手術です。
たるみを切除することで以下の効果が得られます。
- ・眉を持ち上げたような仕上がりになる。
- ・上瞼のたるみや重みが取れる
- ・二重が自然な感じで広くなる
- ・瞼の皮膚や筋肉が引き延ばされて厚みが薄くなる
(参考症例写真)術前⇒術後
眉下切開でつり目になるのか?
通常、目の上のたるみは真ん中から外側にかけて強く、年齢と共にたるみが強くなってくると三角目になる傾向があります。
眉下切開では真ん中から外側のこのたるみを切除していく手術です。
内側のたるみは、外側に比べて少ないのでそもそも切除する必要が少ないです。
内側のたるみをとろうと眉下を目頭側まで全部切ってしまうと傷が目立つリスクが高くなるので通常内側(目頭側)はあまり切除することができません。
基本的に眉下切開は、弛みの強い、瞼の真ん中から外側の皮膚を切除していく方法です。
なので、術後は真ん中から外側の二重が広くなり、二重は末広方向に広くなることになります。
また、先生によっては、たるんだ外側の皮膚だけをしっかりとろうとして、誰でも同じようなデザインで外側中心にしっかり引き上げすぎてしまい、二重が斜め外側に引っ張られたようなこういう感じの目元になってしまう方もいらっしゃるようです。
そのような症例写真を見てつり目になるのが怖いとおっしゃられる方もいらしゃいます。
デザインは個人個人のたるみや二重の状態、ご希望をきちんと考えて変化させる必要があります。
ただ、ここでのポイントとしては、目尻の位置が上がるわけではないということです。
目尻が上がると図のようになりいわゆるつり目になります。
眉下切開は目尻が上がるわけではありませんのでこのような変化は出ません。
眉下切開は目尻 の位置は変わらずに二重が真ん中から外側中心に広くなります。
末広の感じで二重が広くなっていくということになります。
なので、眉下切開ではつり目になるわけではないということになります。
二重が末広方向に広くなるということです。
先ほどの図の矢印をなくすと眉下切開はこのような変化になります。
つり目には見えませんよね。 つり目じゃなくて外側中心に二重が広くなっています。
先ほど書いたように、外側だけ引き上げすぎてしまうと外側に引っ張られたような二重になりますので、そこはデザインの際にきちんとたるみを確認して、外側を引上げすぎないように、ご希望と合わせて適切にデザインをする必要があります。
”つり目”を予防するために
外側のたるみはあまり強くない方もいらっしゃいますし、真ん中中心のたるみ切除を希望する方もいらっしゃいます。
そのような方では、外側は控えめに、真ん中付近のたるみをメインにデザインしてたるみを切除します。
そのような方にワンパターンに外側中心に皮膚切除をデザインしてしまうと外側に引きつれていわゆる皆さんが心配するつり目になってしまいます。
術前にしっかりたるみと二重の状態、ご希望を確認して、真ん中と外側の切除幅を調整してデザインするようにすればそのようなことを防ぐことができ、自然な感じで二重を広くすることができます。
また、斜め外側への引き連れを減らすために、皮膚を切除して縫い合わせる際、状況に応じてまぶた側の皮膚を目頭側にローテーションさせながら縫い合わせたりします。
そうすることで外側のみに引っ張られる力を分散したりしています。
斜め外側に引っ張られるしわや引き連れを出にくくさせることもできます。
あとは、冒頭で内側(目頭側)のたるみは少ないと書きましたが、目頭側を引き上げてほしいという要望も多いのも事実です。
なるべく眉頭側(目頭側)ぎりぎりに切りこんで、内側の切除幅を取るようにして対応させてもらっています。
ただし、 眉頭まで全部を切開すると目立つ傷が一生残ることになりおすすめはしません。
なので、眉頭から少し入ったところから切開して、なるべく眉頭側の切除幅をしっかりとるようにデザインします。
基本的に目頭側に二重幅が出ないのは蒙古ひだのツッパリが主な原因です。
なので、目頭側の二重幅を出したければ二重術で二重を広くしたり、目頭切開(Park法)をおこなって上部の蒙古ひだを解除するのがお勧めです。
目頭側の二重幅を出したり、平行型にしたい方は以下のコラムに書いていますので参考にしてください。
まとめ
以上、まとめますと、結論は眉下切開で本当のつり目になるというわけではない、といことですね。
ただ、外側中心に引っ張りすぎると斜め外側に引き連れて、外側の二重幅だけ広くなってアンバランスになりいわゆる”つり目”になることはあります。
術前にその方の目元のたるみやご希望に合わせて適切にデザインして縫合していけば外側に偏って引っぱられるのを防いで、自然な感じで二重幅を広くすることができます。
あとは、目頭側のたるみはもともとそれほど強くないのと、傷が目立ってしまうため眉下切開で目頭側のたるみはあまりとれません。
目頭側の二重を眉下切開で広くするのは難しいです。
あくまで眉下切開はたるみとりであって二重をイメージ通り作る手術ではありません。
目頭の二重を広くしたい場合は、眉下切開をおこなった後に二重術や目頭切開で広くするのが良いです。