【鼻の整形 オステオポール除去】オステオポールって何?オステオポールの除去ってできるの?なぜ吸収される素材なのに除去するの?術中の写真や症例写真も併せて紹介(閲覧注意)
作成日:2024.8.7
目次
オステオポールとはどういったものなの?
オステオポールは7~8㎜くらいの吸収される素材でできたボールで、鼻先にスポッと挿入することで手軽に高さを出すことができます。
(オステオポールを除去した際の画像)
吸収されて自家組織に置き換わるということですが、吸収される素材というのは吸収される際に炎症を起こしながら瘢痕を作っていきます。
そのため本来の鼻先の柔らかい組織になるわけではなく、がちがちの硬い瘢痕組織になってしまいます。
オステオポールのリスクとは
硬くて大きい塊なので、オステオポールの形が浮いてきたり、鼻先の皮膚が薄くなって赤みが出てくるリスクがあります。
オステオポールが入っていて形がぼてっと浮いてきて不自然になったり、オステオポール部分が赤くなる方も多くいます。
『不安で除去したい』という相談が増えています。
オステオポールを行なった場合は、基本的に上記も踏まえて再手術が必要となるケースがほとんどです。
当院では直視下で手術を行なう為にオープン法での術式となります。
下記コラムもご参照ください。
オステオポールはどんな感じで鼻先に入っているの?(術中の画像もある為閲覧には注意してください)
術中の写真と、症例写真も一緒に解説していきます。
※術中の写真は赤みを飛ばして見やすくはしておりますが、閲覧には充分に注意してください。
症例写真一人目の方
一人目の方は「マスクが当たると鼻先が赤くなる」との訴えがありました。
診察すると、2年前に入れた鼻先のオステオポール上の皮膚が薄くなってオステオポールの形が浮いてきていました。
オステオポール術前の画像
正面から見るとオステオポールの形が丸く浮いていて、 横から見ると矢印の部分がポコっと盛り上がって不自然になっています。
画像ではわかりにくいですが、うっすら赤みもありました。
長期的に悪化・露出のリスクもあり、オステオポールを抜去することになりました。
オステオポールを除去するとその分鼻先の高さが低くなりへこんだりするため、軟骨を移植して減った高さと薄くなった皮膚には軟部組織などで補う必要があります。
また、オステオポールで陥没した鼻翼軟骨を再建する必要もあります。
今回の方も、凹んだ鼻翼軟骨にストラットという軟骨の柱を立てて再建して整えて鼻先に高さを保ちやすくし、軟骨と軟骨膜で鼻先のボリュームを補いました。
手術は基本的にオープン法でおこないます。
ハサミで少しずつ丁寧にオステオポールでできたガチガチの瘢痕組織をすべて除去します。
除去したオステオポールです。8㎜ほどの大きさの球形のボールでした。
オステオポールの硬さはカチカチです。
オステオポール除去した後の鼻の中はこんな感じになります。
球体なので皮膚側も圧迫して皮膚も薄くなりますが、軟骨側も圧迫してへこんでいきます。
オステオポールを除去すると軟骨の部分がオステオポールの形にへこんでしまっています。
このへこみに関しては、鼻尖形成で整え、更に軟骨移植もして強化して土台を作り直していきます。
正面・側面からの手術前後の症例写真
術前にアップノーズが嫌だとご希望があり、軟骨移植は少し下方に移植しています。
手術前・手術直後
before after
術前は鼻先がやや頭側の方に膨らみがあります。
※膨らみの部分がオステオポールが乗っかっている部分となります。
正面に乗っかっているため、少しアップノーズ気味(鼻先が上がった感じ)に見えています。
アップノーズ気味にならないようにオステオポールがあった頭側ではなく、もう少し下に耳介軟骨を移植しました。
その為手術後はアップノーズも改善されています。
before after(正面)
鼻先のオステオポールの浮き上がりも 軟骨と軟骨膜に置き換えたことで目立ちにくくなりました。
赤みはまだ少し残りますが徐々に落ち着いていきます。
before after(右側面)
術前は正面方向に不自然にオステオポールが載っていますが、オステオポールを除去しご希望のアップノーズ改善をするように下方に軟骨を入れて鼻先が下方ぎみ延長されました。
before after 左側面
アップノーズ感が改善したのがわかります。
症例写真二人目の方
二人目の方は1年前にオステオポールの挿入と、切らずに糸だけで鼻尖縮小をおこなった方でした。
手術したにもかかわらず変化があまりなかったとのことと、オステオポールは長期的に考えた時に怖いので除去したいとのことでご来院されました。
除去前の鼻の中はこんな感じでした。
軟骨の上にオステオポールが乗っかってます。
今回は除去したオステオポールは半球状のオステオポールでした。
鼻翼軟骨を陥没させないように、半球体(下が平坦)になっていると思うので軟骨側の陥没はそれほどありませんでしたが、
皮膚側は皮膚がオステオポールの形に添って裏側が陥没し薄くなっていました。
オステオポールを取った後の鼻はこんな感じです。
術前の画像はこんな感じでした(術前画像)
オステオポールの形が浮いている感じはありませんでしたが、鼻先に硬いオステオポールが触れました。
切らない鼻尖縮小のせいか鼻先の両サイドに糸のへこみが見られ、鼻先の軟骨が左に曲がっており鼻筋がクの字に曲がっていました。
今回の手術ではオステオポールを除去した後に、鼻翼軟骨をばらして鼻尖縮小をやり直し、鼻先の高さを保つように鼻翼軟骨の内側脚(鼻柱)を移植軟骨の柱で補強しました。
土台を整えたうえで、耳介軟骨を2枚重ねで載せてオステオポールで減った分の高さをとっています。
へこみの部分に厚みを出すように軟部組織をカバーしてへこみを埋めました。
正面・側面・下からの症例写真
before after(正面)
鼻尖縮小をやり直して整えたことで鼻先の不自然なへこみや曲がりは改善されました。
鼻筋はまっすぐになりましたね。
また、団子鼻気味で広がっていた鼻先も細くなって鼻先がすっきりとしたのがわかります。
before after(右側面)
ストラット(支柱)を立てて軟骨を載せることでオステオポールぶんの高さを補いつつ、さらに若干正面方向に高さが出たのがわかります。
before after(左側面)
左側面でも正面方向の高さはキープされ、さらに少し高さが出たのがわかりますね。
before after(下から)
下からの画像では、鼻先が細くなって団子鼻が改善したのがわかります。
また、軟骨移植で鼻先に高さが出たのもわかりますね。
オープン法で鼻柱を切開していますが、傷はこのようにあまり目立ちません。
症例写真三人目の方
三人目の方の鼻を開いた状態はこんな感じでした。
鼻先の上にボール(オステオポール)が乗かっています。
摘出したオステオポールは半球体になっており
取った後の状態はこんな感じでした。
半球体なので鼻翼軟骨はそこまで凹んでいませんでした。
ただ、鼻先の方は丸くなっている為皮膚はオステオポールの形に凹んで薄くなっていました。
凹みに関しては軟部組織などを補充して厚みを補いました。
まとめ
以上がオステオポール除去の症例写真でした。
オステオポールは新しい治療なので長期的経過はわからないところがあります。
簡単に鼻先に挿入するだけで高さを出せるオステオポールですが、カチカチの瘢痕になることで不自然に形が浮き出たり鼻先が赤くなったりと長期的なリスクがあります。
そのためオステオポール除去の相談は最近増えてきています。
手術はオステオポールを除去するだけでは鼻先にへこみが出る可能性があるので
オステオポールの瘢痕を皮膚から剥がして全て除去していきます。
そのあとに、鼻尖形成や軟骨移植などでオステオポールを取って減ったボリュームを補う手術が必要になります。
また、直視下で行なうためにオープン法での手術となりますので鼻の下の部分に傷跡が残ります。
オステオポールが入っていてご心配な方は一度カウンセリングを受けられてはいかがでしょか。
また下記コラムも併せてご参照ください。